海外でペットと暮らすライフスタイルとは、一体どのようなものでしょうか?
オランダ在住で動物(特に猫!)が大好きな筆者が、「オランダのペット事情・ライフスタイル」をご紹介します!



「お願いがあるんだけど…」と、コッキィが訪ねてきたのは、クリスマスも近い4年前のある日のことでした。コッキィというのはわが家の近所の住人で、私の猫ラブ仲間の一人です。
お互い同年代の子どもがいることもあって長年家族ぐるみのつき合いもあり、日頃なにかと持ちつ持たれつの関係でもあります。
学生時代からいつも猫と一緒に暮らしていたというコッキィの家には5年ほど前までは白い老猫がいましたが、長年かわいがっていたその猫が事故死した後しばらくすると農家から子猫を譲り受け、ふたたび猫のいる暮らしが続いていました。
聞けば、事情によりそこへ突然もう1猫(にゃん)引き取ることになったとのこと。

それはルーシェという名のサビ猫でした。ご病気だったコッキィの叔母様の容態が11月に急変して亡くなられ、一人暮らしの叔母様が残していった3猫(にゃん)のうちの1猫(にゃん)がルーシェで、他の2猫(にゃん)は引き取り手が無事見つかったものの、ルーシェだけはいまだに行き先が決まらないのだということでした。
叔母様とは「シェルターに引き渡すようなことはしない」と約束したそうで、新たな引き取り手が現れるまで自宅で世話をしようと思う、ところが、前々から予約しすでに支払いも済ませた年末の小旅行をキャンセルできない状況になってしまった、ついては旅行中のルーシェの世話をしてくれないだろうかというのが、コッキィの「お願い」でした。
それまでも時おりコッキィのお留守番猫シッターの経験もあり、猫に関してはすっかり信頼のおける人物(?)とみなされていた私、二つ返事で引き受け、いつものように鍵を預かりました。
ルーシェ(♀)は人間と一緒に暮らしていたにしては人なつこさのかけらもなく、それでいて、行けばいつも老婆のようなしわがれ声で鳴いて食べものを催促する猫でした。
そうかといって、猫缶をお皿に開けてやっても遠まきに見ているだけでなかなか近寄ってはきません。
艶のないボサボサの毛並み、耳の先は禿げて黒いレザーのようになっていて、どうも呼吸器に問題があるらしく、息をするたびに横腹が不自然な動きをみせ喘鳴が聞こえました。
かわいそうに、これでは貰い手が見つからないのも無理はないと思うような、ルーシェはそんな猫でした。
(以下次回に続きます)
